【考察】AIは物語を紡ぐことができるか
こんにちは。
安川大仁(だいじん)です。
みなさんには、大好きなアーティストはいますか。
僕は、B'zが大好きです。
1988年にデビューし、30年以上活動されていますが、今も根強い人気があるバンドの1つです。
デビュー以来、未だに新曲を出し続けていて、伝説のバンド、といっても過言ではないでしょう。
ただ、どんな大人気のアーティストでも、永遠に新曲を聴き続けることはできません。
ですが、もし、色々な事情で制作されることがなくなったアーティストの新曲が、AIの力で作ることができるとしたらどうでしょう。
今日は、そんなSF映画のようなAI技術の紹介と、AI技術によって実現していくと予想される出来事について、考察していきます。
27歳で他界したミュージシャンの新曲をAIで制作する「Lost Tapes of the 27 Club」
上記の記事で紹介されているのは、AIの技術によって、27歳で他界したミュージシャン達の「新曲」を制作する、「Lost Tapes of the 27 Club(ロスト テープズ オブ ザ トゥウェンティ セブン クラブ)」という取り組みです。
この取り組みは、アメリカのロックバンド『ニルヴァーナ』のボーカリスト兼ギタリストであった「カート・コバーン」や、同じくアメリカの天才的ギタリストであった「ジミ・ヘンドリックス」などの、27歳で惜しまれて他界した名だたるアーティスト達がリリースした数々の曲をデータ化し、それをAIに分析させた結果音源を作り出しているといいます。
ただ、AIの技術を使った、といっても、AIが分析の結果制作した音源を、人の手で抽出し繋ぎ合わせたものらしく、まだまだ「AIが制作した」とは言えない代物の様子です。
ですが、その結果作り出された音楽は、確かに彼らの癖を良く捉えている、のだそうです。
ぜひ聴いてみたい、という方は、前述のリンク先の記事にて曲を聴くことができます。
ご自身の耳で確認してみてください。
曲だけでなく、AIによって歌詞も再現
曲の部分だけでなく、歌詞もAIによって再現が可能の様です。
前述の記事の中で、「カート・コバーン」の新曲をAIが制作した際、その曲の歌詞もAIに作らせた旨が紹介されています。
『ニルヴァーナ』のコピーバンドをしている人物に新曲の歌詞を確認させたところ、歌詞にも「カート・コバーン」らしさを感じさせる内容だったとのこと。
歌詞には、その人の思考や性格、感情が如実に表れます。
そういった人間的な感性を思わせる表現を、AIが再現できる域に達しているのは恐るべきことです。
音楽だけでなく小説や漫画も再現可能になるかも
曲だけでなく歌詞も再現可能である通り、AIは元になるデータさえあれば、現時点では限定的な状況下でですが、人の感性すらも真似て、作品を作り出せる可能性があります。
AIの同じ様な機能を使えば、音楽の分野だけでなく、小説や漫画などでも活用できるのでは、と僕は予想しています。
特に小説の分野では、様々な都合で未完のままの名作が山程あります。
そういった未完の名作を、AIの技術を利用して続編を刊行させることや、完結させることもできる様になるかもしれません。
未完の作品は全て完結しなければならない、とは思ってはいません。
未完の作品とは、その人以外に続きが作れないから未完なのであり、他人であれAIであれ、完全に再現できるものではないでしょう。
未完のままにしてほしい、と思うファンの方も多くいると思います。
そういう想いがある上で、作者本人の作風に限りなく近い、AIが制作した続きの物語を鑑賞することで、その作品を楽しんでいた当時を懐かしんだり、その時に感じた面白さや興奮、喜びを再び感じる機会が得られるのではないか、と僕は思います。
「AIが人の仕事を奪う」という定説は昔から根強くありますが、人の暮らしを豊かにする力もあると僕は思っています。
AI技術の更なる進化と、新たな活用方法の発見が僕自身楽しみです。