【テクノロジー紹介&超考察】ロボットを着る、という発想
こんにちは。
安川大仁(だいじん)です。
最近、「ロボット」という単語が日常的に使われるようになりましたね。
昔はロボットというと、ガンダムなどのアニメや特撮のものと相場は決まっていました。
それが今や、ロボティクス(ロボット工学)という用語で、AIによる自動化技術や工場での組み立て作業をするロボットフレーム技術などを呼称するようになりました。
SFの創作物だったものが、現実世界に登場するようになったのです。
そんな、一般化しつつあるロボットですが、その形態は様々です。
前述の工場の作業ロボットもそうですし、なにかと話題のドローンもロボットの一種です。
一番イメージしやすいロボットでいうと、ソフトバンクが発売中の『Pepper』などもありますね。
いろんなロボットの形態がある中で、今技術の開発が進んでいる1つに「ウェアラブルロボット」というものがあります。
ウェアラブルというと、スマートウォッチやスマートグラスのように「身につける」機械です。
つまり、「体に装着するロボット」ということになります。
この「体に装着するロボット」に関する面白い記事を見つけましたので紹介します。
この記事の中で、1994年生まれの若き開発者である「きゅんくん」さんが開発した「着て楽しむロボット」が紹介されています。
この「METCALF」の特徴は、「他のロボットのように実用的な機能を持たないこと」です。
身につけた「METCALF」には、左右に伸びるロボットアームが存在しますが、物を持ったりできるわけではありません。
可動はしますが、それをファッションとして捉える。とても独創的で面白い発想です。
開発者のきゅんくんさんが、大学院で研究していたのが「ウェアラブルロボットに対する人の感情の動き」です。
その開発目的に関して、きゅんくんさんは下記のように語っています。
人とまったく異なる存在としてのロボットが、人と物理的距離をゼロにしても「身体拡張」ではなく、別の存在として一緒にいられるのではないか、存在の多様性を尊重することになるのではないか、と考えているからです。「あなたは私と違うけど一緒にいられる」という存在感。ロボットだけに何か役割を期待するのではなく、人もロボットも、そのままの状態で「ただ一緒にいようね」という世界観。私のつくる作品としてのロボットは、多様性のある世界をめざすためのウェアラブルロボットです。
「共にある存在」としてロボット。
今後、IT技術が進む中で人と人の関係が希薄になる傾向がある中、こうした試みはとても挑戦的で面白いですね。
ウェアラブルロボットの将来予想(妄想考察)
さて、定番になりつつありますが(笑)ここから僕自身の、今後のウェアラブルロボットの考察です。
結論から話すと、将来一人が一台、AIを搭載したウェアラブルロボットを持つことになるのではないでしょうか。
順を追って説明していきます。
上記で紹介した「共にある存在」としてのロボット。これは実はすでに実用化が進んでいます。
というのも、ソフトバンクの『Pepper』も、人と会話し、擬似的ながらコミュニケーションを取ることを目的として開発されています。
人はすでに、人に代わるモノとのコミュニケーションの方法を模索し始めているのです。
特に今は、AIの発展でそれも現実になってきています。
SiriやAlexaの会話レベルは、常に僕らの予想を凌駕しつつあります。
そういったAIを搭載したウェアラブルロボットを、一人が一台持つことになるのではないか。
会話も楽しめて、わからない単語を教えてくれて、道に迷えば道案内してくれる。
その形はどういったものになるのかはわかりませんが、腕に装着したディスプレイに人形のAIが映し出されたり、はたまた小動物型のロボットを肩に載せて歩くことができたら、なんとも可愛いですね。
上記でご紹介した「METCALF」のように、服のように身につけるロボットも面白いです。
「ウェアラブルロボット」という技術のこれからの発展が楽しみです。