こんばんは。
みんなのジーニーになりたい、安川大仁（だいじん）と申します。
すっかり蒸し暑い季節になりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
最近では家で呑む機会が増えた、という方も多いのではないでしょうか。
自宅でエビスのビールを片手に、仕事仲間を招いて、ゆったりと語り合う時間もたまらなく好きなのですが、
何か考え事をするとき、仕事の戦略を練るとき、雰囲気のよいお店でウイスキーを相棒に過ごす時間は、僕にとって至福のひとときです。
先日久しぶりに営業を再開した行きつけのウイスキー専門店へ足を運びました。
僕は仕事に行き詰まると、よくこの店を訪れ、大きく丸い氷と溶け合うウイスキーを片手にぼんやりと考え事をします。
すると、不思議。頭の中で散らばっていたアイデアが一つの大きな流れとなってまとまり、実現したいビジョンが明確になってくるのです。
エントランスから続く通路を抜けると、開けた空間に落ち着いた照明の重厚感のある店内。ガラス張りの窓の向こうには見晴らしのよい夜景が広がります。
そして、ビシッと着こなしを決めた熟練のスタッフが出迎えてくれます。
奥では指先に神経を集中させたバーテンダーが、氷を混ぜる涼やかな音が響いています。
椅子を引いてもらい、席に着く。
スタッフも、他の常連客も、落ち着いた雰囲気にぴったりの品のよさ。
僕は幼い頃から、この「品のよさ」「大人のゆとり」に対する憧れがあります。
経営者として稼いでいた父は、キャデラックに乗り、ウイスキーが似合う大人の男性でした。
そんな父の背中を追いかけるように、気づけば経営の道を目指していた20代。
まだまだ駆け出しで必死だった当時、いつかこんな店が似合う大人になり、ここで経営戦略を練るのだ、と夢を描いていたものでした。
30代になり軌道に乗り始め、今ようやくこの店で様々な思索をするまでになったのだと思うと、本当に感慨深いものです。
長くなってしまいましたが、つまり、僕にとってウイスキーは一人前の大人になった証なのです。
ウイスキーと過ごす時間が、「大人になった実感」と「すべては思い描いた通りになる」という前提へと導いてくれます。そして、「さて次はどこへ向かうのだ？」と自分の心をビジョンを描く方向へと整えるのです。
今回注文したのは、ジャパニーズウイスキーのオールドスタイルのもの。深みと複雑さの中に強烈な芯のある味わいが特徴です。まろやかなのに、強い。これは樽で熟成している期間と大いに関係があります。
ウイスキーの魅力の一つが20年もの、30年もの、と熟成年数が大変長いことです。
それが味の深みを生み出しているのですね。
人生は長期戦。経営の恩師はいつも僕にそう教えてくれます。
今目の前にあるウイスキーは、どんな歴史とともに熟成の期間を過ごしてきたのだろう？
そして、今作られたウイスキーが年代物となる20年後、30年後、時代はいったいどうなっているのだろう？僕自身はどうなっていたいだろう？
歴史に思いを馳せながら、未来を想像してわくわくしながら、嗜むウイスキーは、本当に格別です。
ゆったりと流れる時間に身を任せ、今この瞬間、壮大な歴史の波を乗りこなしている自分を想像する。
目を瞑ると、ハワイの海で乗りこなした力強い波の感覚が蘇ってくるようでした。
ちなみに、つまみで注文した前菜の盛り合わせは、口に入れた瞬間、「あっ！」となりました。
中央のバーニャカウダのソースが、なんと！！燻製されています。とてもよい香りと味に深みを出していました。こういう小さなところにこだわっているのが、大人になっても遊び心を忘れない、ゆとりを感じる部分でもあります。
最後に、この店で忘れてはならないのが、接客の素晴らしさです。
ウイスキーについての相談をすれば、スタッフのウイスキーに対する愛を感じることができます。
また、スタッフの一つひとつの所作から、お客様を大切に扱っていることがわかります。
椅子をゆっくりと引く、メニューを丁寧に広げて説明をする、絶妙なタイミングで注文を聞きにくる。
自分自身が大切に扱われることを通して感じることは、自分自身のこと、周りの人のことを大切に扱うことは、ゆとりのある大人だからこそできることだと思うのです。
いかがでしたでしょうか。
今回もウイスキーを呑みながら思いついたアイデアを、どんどん形にしていきます。
皆さんもぜひ「大人のゆとり」をウイスキーとの時間でじっくり味わってみてください。
