【民間人が宇宙へいく時代へ】スペースXの人類未踏の偉業
こんにちは。
安川大仁(だいじん)です。
2020年に入ってから、コロナウイルスの流行など暗いニュースが続く中、とある起業家の成し遂げた偉業が大きなニュースになりました。
それは、自動車会社であるテスラの共同創業者であるイーロン・マスク率いる企業、スペースX(SpaceX)が成し遂げた、民間で初めての国際宇宙ステーション(ISS)への有人飛行です。
このスペースXの偉業の一体何がすごいのか、そして他に成し遂げた偉業について、簡単にご紹介いたします。
ロシアに依存せず有人宇宙船をISSへ接続が可能に
冒頭でお話した、国際宇宙ステーション(ISS)*1への有人飛行ですが、一体何がすごいのか。
結論から話すと、『米がロシアなしに有人飛行船を飛ばせるようになった』ということが大きな事件です。
アメリカは、2011年以降はISSへの有人飛行を、ロシアのソユーズという有人飛行船に相乗りさせてもらう形で実施していました。
※一説では、ソユーズの利用は一人当たり80億が必要だったと言われています。
何故、わざわざロシアの宇宙船に相乗りさせてもらっていたかというと、アメリカが保持していた有人宇宙船『スペースシャトル』が、コスト面や安全面の問題から2011年に退役してしまったためです。
それ以降、アメリカは単独でISSへの有人飛行を行うことができなくなったのです。
ISSでは、実験・研究、地球や天体の観測などを行えます。
そこで得られた成果を活かして科学・技術をより一層進歩させることを目的としており、ISSへの有人飛行は非常に大きな意味を持つのです。
高額な相乗り料をロシアに支払ってでも、宇宙開発を進めたかったアメリカにとって、自国の企業が有人宇宙船を開発できた、という事実は願ってもないことなのです。
もちろん、スペースXのこの達成は、アメリカ政府の機関であるNASAの融資によるサポートがあったことも忘れてはなりません。
ロケット打ち上げの大幅なコストダウンが実現
スペースXの成し遂げた偉業はこれだけではありません。
従来、ロケット打ち上げはかなり費用のかさむ事業でした。
おおよそ100億~200億円はかかるといわれていたそれを、スペースXは60億という費用で実現しています。
その原因は、イーロン・マスクが自分の企業である「テスラ」で培った技術力による、製造プロセスの見直しと、その設計思想にあります。
スペースXは、機器の7割を自社で内製していると言われています。
また、多くが手作業で作られていた部品の多くを、3Dプリンターを使用することによってコストをかなり削減して製造できています。
宇宙飛行船のコクピット部分も、従来では煩雑な機器が並んでいたところを、タッチパネルの導入などにより簡素化することに成功しています。
こうした細かい企業努力によって、スペースXは宇宙への道をもっと身近なものにしようとしています。
2021年、民間人が宇宙へ・・・
ここまで、イーロン・マスクの2020年までの偉業をご紹介させていただきましたが、彼の挑戦は今まさにこれからでしょう。
スペースXは、米テキサス州ヒューストン本拠の「Axiom Space(アクシアム・スペース)」と、民間人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)まで往復輸送するミッションに関する契約を締結しました。
実施は2021年後半。
これは、民間人の宇宙旅行の大きな足がかりです。
成功すれば、スペースXへの事業投資額は更に大きくなり、宇宙開発のペースはさらに加速していくことでしょう。
イーロン・マスクの語る「2024年までに人類を火星に送り込む」というビジョンも、射程圏内に入ってきましたね。
2020年、2021年は、宇宙開発が大きく革新する年となりそうです。
イーロン・マスクとスペースXからは目が離せませんね。
*1:地上から約400km上空に建設された巨大な有人実験施設。1周約90分というスピードで地球の周りを回りながら、実験・研究、地球や天体の観測などを行う。